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  アルファ実験日記
【2013/10/20】

身長140cmのA君。A君は全身を映すために、高さ3mの鏡を買ってきました。
しかし3mの鏡はやはり大きすぎ、そこまでの大きさは必要ありませんでした。
A君が鏡から1m離れて全身を見たい時、どのくらいの長さの鏡があれば良いでしょうか。


いろいろ考えるより、やってみたらすぐ分かるので、さっそく測ってみましょう。

頭の位置にピンクのシールをはり、足の位置にもはります。上の写真では位置がずれて見えますが、これは測定者の視点とカメラの視点が異なるためです。

結果は約70cm。 多くの子達が思っていたより短い範囲に全身がおさまります。
なぜそうなるのでしょうか。 図で考えてみましょう。


測定者が自分の姿をうつしている時、頭Aから出た光はCで反射し目にとどき、足Bから出た光はDで反射して目に届きます。
Cより上、Dより下の部分の鏡は必要ありませんので、鏡は随分小さくてすみます。

では今度は、鏡からもっともっと離れたら、必要な鏡の大きさはどうなるでしょうか。
鏡までの距離 1m → 必要な鏡の大きさ70cm
鏡までの距離 5m → 必要な鏡の大きさ??cm

まぁ、子供達に予想させると、十中八九「70÷5=14cm」と答えてきます。
しかし実際測定してみると・・・。

またまた70cm。さきほどと必要な大きさはほとんど変わりません。なぜでしょう。
もういちど先の図を見てください。

A'-B'が像の身長(140cm)、C-Dが必要な鏡の長さ。
この時にできる、三角形[目CD]と三角形[目A'B']に注目します。
鏡から1mはなれているので、目から鏡までが1m(三角形[目CD]の高さ)。
目から目の像までの距離は2m(三角形[目A'B']の高さ)。高さが2倍違います。
底辺であるCDとA'B'も2倍違うので、A'B'が 140cm の時、CDは 70cm になります。
これは鏡からの距離が5mになったとしても同じ。
うつすために必要な鏡は、常に身長の半分であることがわかります。

とはいえ上の理屈、難しいですよね。
大抵の受験生の多くはこんな理論はすっとばして、
全身をうつす鏡は身長の1/2
と覚えて終わりにしています。受験というハードルをクリアするだめ、手早く点数を上げるためを考えたら、そのように覚えてしまうのも合理的といえるでしょう。

しかし私は、そうやって理屈を飛ばして結果だけ詰め込んでしまうのは、勿体ないなと感じます。せっかく良い勉強機会なのだから、こうやって地道に1つ1つ実験して確かめ、経験値として蓄えていって欲しいと考えています。
実験教室って、受験においてはパッと点数が上がる飛び道具的なものではなく、
いつかどこかの問題で活躍するかもしれない(でももしかしたら活躍の機会がないかもしれない)力や知識や経験をコツコツ蓄える、そんな基礎筋力作りのようなものだと思っています。

4年生「鏡と光」より