私がかつて指導していた四谷大塚では、
6年生の9月以降は「学校別対策」という名の講座が始まり、
志望校の傾向に合った問題を解く授業が行われていました(今も)。
過去問やそれに類似する問題を解いて傾向をつかむ学習方法は、勉強方法として王道です。それを上手に活用すると、極めて高い効果が生まれると感じます。
ただ残念なことに、これらの学校別対策講座が開かれるのは、
どこの塾でもいわゆる「上位校」に対してだけです。
学校毎に対策問題を用意するのは、塾側からすると手間暇がかかり、中堅校にまでそれを行うのはコストパフォーマンスが悪いと考えられてしまうからです。
もちろん、学校別対策が行われる時間、トップ校以外の志望者には別講座が用意されています。しかしそれは、十把一からげとされた偏差値輪切りクラスの講座です。
この輪切り講座は、単なる問題演習と同じなので、
「今の偏差値は45だけど、なんとしても攻玉社に行きたい。」
という子達にとって、特別な効果があるとは思えません。
もちろん、そんなこと塾側は言いませんが。
そして塾の先生は、このように言うはずです。
「過去問を解いて、分からないところは先生に持ってきなさい。見てあげます。」と。
でもちょっと考えてみてください。
講師1人で、6年生の教え子を50人は受け持っています。
50人が授業毎に過去問を持ってこられても、全員分を分析して、個別に最適な学習領域と勉強方法を指示するなど、できるはずがありません。
「わからない」と付箋を貼ってきた子の問題だけ見るので精一杯です。
私が四谷で指導していた時も、秋になると解いた過去問を全部持ってきて「見てください」とドサッと教卓に置いていく子がたくさんいました。
「分からない」フラグがついている問題に解説コメントを入れ、誰が何年度を解いて何点だったかという記録をして、
そして「見ました」のハンコは押して返却していました。それが精一杯でした。
返却すると子供達は「わかった」といって満足げな表情をしていましたが、
子供達が正確に採点できているかどうかはかなり疑問でしたし、
間違ったところを基礎に戻って復習しているとは思えませんでした。
さらに言うと、入試問題はかなり練られていて奥が深いので、
子供達がその奥深さまで到達していないことが多いのです。
そもそも塾講師達の大部分には、「授業時間」に対してお金が支払われています。
夏期講習が朝から晩まで続く8月度の給料は倍ほどに跳ね上がりますし、
2月度は受験で授業が1週減るので給料も激減します。
そういった給与体系の先生達に、過去問分析をサービス残業とボランティアで期待するのは酷ですし、現実的には不可能でしょう。
こうやって、学校別対策に乗れない子達は、最も大切な受験前の4ヶ月に、効果の高い過去問対策を受けさせてもらえず、取り残されてしまう。これが受験塾の現状です。
アルファ実験教室の卒業生は、毎年、開成・桜蔭・筑駒に大量に合格していき、
華々しい進学先で「優秀な子達ばかり」いるように見えるかもしれません。
しかしその影には、毎回の小テストでも平均点以下、
実験は面白くて理科は好きでも、得点に結びつける方法を知らないまま過ぎていき、
第一志望も第二志望も不合格で涙をのむ子達も数多くいます。
こういった子達も、過去問を使った勉強方法を正しく行えば、
偏差値は5〜10ポイント近く変わってきて、
模試では到底かなわない偏差値の学校でも、
過去問対策で合格に届くようになるだろうなと思われる子達が大勢います。
とてももどかしく感じます。
5年・6年と進むにつれ進捗管理だけになって内容を見なかった保護者の方も、
この過去問学習に関してはだけは、
一緒に解いて、一緒に悩み、一緒に調べて、一緒に復習してみてはいかがでしょうか。
合格には間違いなく近づくだろうなと思います。
ただこの頃になると、子供の方が知識も解き方も上手くなっていて、ひょっとしたら親の力では太刀打ちできないかもしれません。
そんな時は、経験豊かなプロの先生に頼るのも手です。
私は基本的に家庭教師・個別指導はほとんどの子には不要だと思っていますが、
この過去問指導だけは、個別の威力が発揮されるシーンだと考えています。
とはいえ学生はダメです。いくら高学歴学生でも、自分では解けるのと、子供に解けるようにさせるのは別の力が必要だからです。さらに学生は圧倒的に失敗経験が少ないので、合格への道すじが見えていません。
経験豊かな先生、いわゆる受験の職人のような先生は、
受験直前の薄氷を踏むような状況を数多く経験し、
たくさんの失敗を重ねて、多くの子の涙の上に、今の力があるのです。
もっとも、経験豊かな力がある先生は当然人気がありますので、
皆が過去問指導をお願いしたくなる秋にはもう埋まっているかもしれませんが。
救いようのない内容になってしまいすみません。
ただ1つ救えるとすれば、これはトップクラス以外の、
どの子にも平等にあてはまることなので、
中堅校以下は過去問対策ができていないのが普通の状態ともいえます。
PS.「全然救えてないじゃん」とたまだに突っ込まれました。
では、ここは思い切って・・・
アルファで個別指導を行うことにします。
授業は月曜日(7月以降)、授業料は月31,500円(100分×3回)。
自宅で解いた問題は全てFAXかPDF添付で事前に送っていただき、それを見て弱点把握した上で授業をします。
※多数のお申し込みをいただき、個別の受付は終了しました。
ちなみに昨年半年間指導した子は、4月・7月の合不合偏差値より15上の学校に合格しました。10月まで徹底的に基礎を反復した後、過去問を解きました。
入学後、先生から
「お前の理科の入試成績は入学者の中で1位だったぞ。他は・・・まぁ普通だったけど。」
と言われたそうですよ。
興味がある6年生は、一度ご相談下さい。
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